本読み、音楽、アニメ、ゲームなど……じぶんのためのメモ的なものを、気まぐれに載せています。

2015年1月19日月曜日

「作曲の発想術」「まちモジ」「日本人はいつから働きすぎになったのか」

10:45 Posted by どぼん , , , , 4 comments

01/17 : 青島広志「作曲家の発想術」

 肺病で貧血を起こしている女主人公の、それをものともせずに歌うこと! 感極まるとベッドの上に立ち上がって『歓喜の歌』風の二重唱を歌うのだ。また、恋人の男も女も、彼女が歌うのを止めようともしないのである。それに比べれば、幕開きのパーティーのシーンで、それまで会ったこともない二人がぴったり合わせて歌う不思議さなど、物の数ではなかった (p. 180)
 さまざまな名曲はどのようにして生まれたのか。音楽はどのようにしてつくるのか。ごく簡単な分析や時代背景といった名曲案内から、作曲家の実際(とくに経済的に)までのぞくことのできる面白い本です。著者独特の言い回しが何とも面白い本です(引用のとおりです、笑)。◆第一章は著者自身が作曲家に至るまでの悲喜劇、第二章は管弦楽や吹奏楽、ピアノや合唱といったさまざまなジャンルにおける有名な作品の紹介とごく簡単な分析、第三章は「結婚式に曲を作ってくれ」と頼まれた場合を想定して、(その気になれば)だれにでもできるような作曲方法を教えています。
 とくにおもしろかったのは、著者自身の生い立ちを描いた第一章です。音楽を教える人間に対するメッセージや音楽への考え、そして体験談が語られていてとても生き生きとしています。著者が幼少時代に頑張って書いた五線紙に、父親が醤油をこぼし、母親が天ぷらを載せてしまったとか、「石澤先生が、青島先生のところに行っていると下手になるからやめろって」などと言いだすホラ吹き娘に「うちの子に終楽章を弾かせたのは辞めろということでしょう」などと難癖をつける母とか。笑っちゃいました。
 そのほか、大切なアドバイスが要所要所に垣間見られます。初心者に教える場合は最高に丁寧に誘導すべきである(1章)、管弦楽への編曲は芯となる弦楽がきちんと出来ていればなんとかなる(3章)、などなど。

01/19 : 小林章「まちモジ」

 丸ゴシックが選ばれてきた理由は、遠目でも読めること、オフィシャルにみえること、そして手で書くときに効率が良いこと、の3つがバランスよくそろっていたからではないでしょうか (p. 55)
 見た目にもたのしい、世界中の街角でみられる文字のフォントについて教えてくれる本です。たとえば「とまれ (STOP)」の標識ひとつとっても国によってデザインが異なっています。
 とりわけ日本では、「とまれ」といった道路標識をはじめ、いたるところで丸ゴシック体が用いられています。たとえば、鉄道やバス停の駅名や車体の方向幕、銀行の看板などなど。中国などの漢字圏とくらべても、あきらかに角の丸い文字(丸ゴシック体など)が多いようです。
 なぜ日本では丸ゴシック体が用いられてきたのか。それは、描きやすさと見た目を両立した職人技に由来するものだったようです。他方で、なぜ他国(とくに漢字圏)では日本ほど丸い字体が用いられることはなかったのか、という疑問が残りました。はじめから手書きではなく、印刷(?)などの生産方式が確立されていたのでしょうか。
 ともあれ、額縁に収められることもなく、人によってつくられ、人に使われ摩耗してゆくデザイン。デジタルフォントを製作する著者がそんな「まちモジ」に愛着を示す気持ちが少しだけ分かった気がしました。

01/23 : 礫川全次「日本人はいつから働きすぎになったのか」

 ウェーバーのいう「資本主義の精神」を支えていたのは、カルヴィニズムという非合理的な「宗教」であった。同様に、江戸期における日本人の「勤勉性」を支えていたのも、浄土真宗という「非合理的な宗教」であった。明治期においては、日本人の勤勉性を支えるものは、ある面においては「修身」というイデオロギー教育であり、また他の面においては、「生存競争」という現実であった。それらを支えていたのは、いずれも「非合理的」なものであった (p. 241)
 日本人の「勤勉」という価値観の源流をたどり、その帰結として人びとが「自発的に」「勤勉であること」を強いられている(自発的隷従)現代に至る過程を論じている本です。そこには、思想、為政、企業、さまざまな立場から勤勉であることが価値観として求められ、そのなかでつねに変容してゆく人びとの様子が描かれています。その結論は引用部分のとおり、宗教や思想、為政のためのイデオロギーや生活の必要性といった「非合理的」なものが「勤勉」を成立させていたというものです。
 よくよく考えてみれば、日本人は勤勉だと一般的には言われてきましたが、その価値観がどのように成立したかということを考えることはあまりありません。まして、「働きすぎ」によって死に至るということを思想の歴史から考えるという視点もぼくは持っていませんでした。その点で、この本の投げかけているテーマは面白いと思いました。(ウェーバーを持ち出している部分で、すこし疑問点もあるのですが、これはぼくの勉強不足というかなんというか……)  この本は14の仮説から出来ており、それを見るだけでこの本の全貌が大体つかめるという、便利なつくりになっています。なので、ここに仮説を残して要約をサボることにします。

仮説

  • 仮説0. 人々を勤勉に駆り立てるものは、その社会、あるいはその時代のエートスである, 29.
  • 仮説1. 日本では、江戸の中ごろに、農民の一部が勤勉化するという傾向が生じた, 27.
  • 仮説2. 江戸期の日本では、すでに勤労のエートスを導くような文化が成立していた, 35.
  • 仮説3. 江戸時代の中末期、浄土真宗の門徒の間には、すでに勤労のエートスが形成されていた, 91.
  • 仮説4. 日本人の勤勉性の形成にあたっては、武士における倫理規範が影響を及ぼしていた可能性がある, 105.
  • 仮説5. 明治20年代以降、少なからぬ日本人が、二宮尊徳の勤勉思想から、勤勉のエートスを学び、勤勉化していった, 137.
  • 仮説6. 浄土真宗門徒における勤労のエートスは、日本の近代化に積極的な役割を果した, 142.
  • 仮説7. 明治30年代に入ると、日本の農民の多くが勤勉化した, 149.
  • 仮説8. 大正時代の農村には、すでに、働きすぎる農民があらわれていた, 164.
  • 仮説9. 大正時代の農村には、なお、勤勉でない農民が残存していた, 164.
  • 仮説10. 戦時下、産業戦士と呼ばれていた労働者が置かれていた状況は、今日の労働者が置かれている状況と通ずるものがある, 191.
  • 仮説11. 日本人の勤勉性は、敗戦によって少しも失われなかった, 203.
  • 仮説12. 高度成長期に、日本人労働者は働きすぎるようになり、その傾向は、今日まで変化していない, 217.
  • 仮説13. 近年の過労死・過労死自殺問題には、日本人の勤勉性をめぐるすべての難問が集約されている, 225.
  • 仮説14. 日本人は、みずからの勤勉性を支えるものが何であるかについて、深く考えようとしない, 243. 

2015年1月16日金曜日

英単語メモ - 「そして、僕はOEDを読んだ」から

19:32 Posted by どぼん , 8 comments

01/15 : アモン・シェイ「そして、僕はOEDを読んだ」

◆英単語にも、いろいろな言い回しやニュアンスがあって面白いです。読んでいて気になった言葉を集めてみました。言語を学ぶならふつうに参考書でも買えばよいのですが、こういうひねくれた入り口から入るのが好きです。(そのなかでもちょっと気になったものには*)

A

*Accismus
欲しいものについての本心からではない拒絶、辞退
Acnestis
動物の肩から腰にかけての部分で、かこうと思っても手が届かないところ
Advesperate
ほんの少し陽が傾き始める
Aerumnous
トラブルだらけの
Agathokakological
善と悪からなる
*Agelastic
決して笑わない人
Agerasia
若々しい人、歳をとった感じがしない人
All-Overish
全身がなんとなく気だるい
Antinomian
道徳律がキリスト教徒の前ではなんの効力もないと主張する人
*Antipelargy
子どもから親への、お返しの愛
Anti-rumour
噂を流し返す
*Apricity
冬の太陽の暖かさ
*Astorgy
自然にわいてくる愛情の欠如


B

Backfriend
うその友人、隠れた敵
→ Fawnguest
盗みを働くために友人のふりをしている人
→ Hindermate
助けるというより邪魔をする仲間
Balaamite
お金のために宗教心を持つ人
*Bayard
無知に対して自負心を持っている人。もともと「鹿毛の馬」を指していた
Bedinner
夕食をごちそうする
Bed-swerver
不貞な配偶者
Benedicence
会話のなかに表れる博愛心
*Benignant
自分より劣るものに対して温かい感情を持っている、表している
*Bouffage
楽しくおいしい食事
*Bowelless
腸がない、慈悲や同情の心に欠ける。(腸=同情というのが興味深い)


C

Cacotechny
悪い技巧、害を与える技巧、技術
*Cellarhood
地下室が地下室である状態
→ Tableity
テーブルがテーブルである状態
→ Paneity
パンがパンである状態
*Cimicine
虫のにおいがする
*Coenaculous
夕飯を食べている、「夕食をたまらなく楽しんでいる」
Conspue
軽蔑や侮辱をして誰かに、何かに唾を吐く
→ *Consputator
他人を軽蔑して唾を吐きかける人
*Countercozen
お返しに騙す
Credenda
信じる者、信条(agenda”すべきこと”の対をなす)
Curtain-lecture
ベッドにおける妻による夫への小言


D

Debag
罰として、もしくは冗談でズボンを引きずりおろす
*Deipnophobia
晩餐会の恐怖
Desiderium
以前所有していて現在所有していないものをもう一度所有したいと強く思う気持ち
Dilapidator
建物を放っておいてだめにしてしまう人 (現在のニューヨークでは、単にlandlord”大家さん”と呼ばれている)
*Dyspathy
同情(sympathy)の正反対


E

-ee
→ Laughee
笑われている人
Elucubration
ろうそくの明かりで勉強をすること、書き物をすること (生産的活動)
Empleomania
公的役職につきたいと思う躁病的衝動
*Engouement
理屈のない愛好


F

Fard
顔の傷を隠すために化粧をする
Father-better
ほかのお父さんよりよい
Father-waur
ほかのお父さんより悪い
Fedity
ひどく悪い習慣、嫌悪を感じる習慣
*Felicificability
幸せにする力
→ felicific
幸福をもたらす
Filiism
自分自身の息子に対する過度のひいき目
Finifugal
何かが終わることを避けている
Fleshment
初めての成功からもたらされる幸福の感覚
Foiblesse
(人の)はっきりしとした弱点、何かへの弱さ(foible に対してfoiblesseには、弱みを容認する、肯定する態度がある)
Fomes
接触伝染性のウイルスを吸収、保持できるありとあらゆる多孔性の物質
Fornale
お金を稼ぐ前に使ってしまう
Frauendienst
女性に対して誇張された騎士道 (13世紀にウルリヒ・フォン・リヒテンシュタインという人が書いた本のタイトル。その本には、彼が仕える貴婦人をいかに守り、戦ったのかについて詳細な記述がなされている。(例えば、数百もの敵の兵士を倒し、どれほど大きなけがを負ったのかについて))


G

Gobemouche
どんなにばかげたことであっても、なんでもすぐに信じる人。語源はそれぞれフランス語で、gober (~を飲み込む), mouche (ハエ)
Granaybgere
豪華な、贅沢な食事 (OEDに謎の注釈あり。”「あなたは本当に一人ですべての異教徒を退治できるとお思いですか?」という意味を持つ、もとのフランス語からの借用ではない”, 103)
Grinagog
絶えずにたっと笑っている人 (”この単語は、おそらく、「顔をポコンとパンチしてもかまわないやつ」とも定義できるだろう”, 104)
Gymnologize
インドの哲学者のように裸で議論する


H

Hamartia
悲劇の英雄を敗北に至らしめた欠点 (”くれぐれもこの単語をチョコレートの誘惑に負けそうなときなどに使ってはいけない”, 110)
*Happify
幸せにする
Heterophemize
意図したこととは異なることを言う
Hooverize
特に食料に関してけちけちする。1917-1919まで食糧庁長官だった第31代アメリカ合衆国大統領ハーバート・フーバーに由来する。(”哀れハーバート・フーバー”, 114)
Hot cockles
一人がうつむいて目隠しをしてひざまずき、ほかの人がその背中を順番に叩いていって、誰が叩いたのかをあてるという素朴なゲーム


I

Ignotism
武知によって引き起こされた過ち
*Ill-willy
憎悪の気持ちを大切に育んでいる (”でも、そもそも、-willyで終わる単語をとてつもなく重く深刻な単語として理解するのは、はなはだ難しい", 121)
Impluvious
「雨に濡れた」
Inadvertist
全く周りの状況が目に入らない人
*Indesinence
ふさわしい終焉の欠如
Indread
目に見えない恐怖を感じる
*Interdespise
相手と同じくらい憎む


J

Jentacular
朝食の、朝食に関係する
Jocoserious
半分真剣で半分ふざけた


K

*Kakistocracy
最悪の市民による政治
Keck
いまにも吐き出しそうな音を出す
Killcrop
空腹がおさまらないがき、俗に、実の子と替えられた妖精と考えられたがき (”この単語は、自分のところ以外のすべての子どもを言い表していると考える向きもある”, 143)


L

Lant
ビールを強くするために尿を加える
*Lectory
読書のための場所
*Letabund
喜びでいっぱいの
*Levament
自分の妻から感じる安らぎ
Lipoxeny
寄生者が宿主を見限って離れること


M

Maritality
夫に対する妻の過剰な、度を越えた愛情
Mataeotechny
無益な、利便性のない科学、技能
*Mawworm
高潔さを自認する偽善者
Microphily
知性や地位において対等でない者同士の友情
*Micturient
ものすごく尿意をもよおしている
→ Cecaturient
便意をもよおしている
*Minionette
小さくて魅力的な
Misandry
男嫌い
→ Misogyny
女嫌い
Misdelight
よくないことに喜びを感じること
Mislove
憎む、罪深いほどの愛情を持つ
Monodynamic
才能を一つしか備えていない
Mothersome
母親のように心配する、心を痛める
→ bothersome
わずらわしい
Mumpsimus
特に言葉遣いについて、断固、懐古主義の立場をとること
Mysophobia
汚れや不潔な状態に対する理屈を超えた恐れ
Mythistory
歴史の神話的説明、報告


N

Need-sweat
不安や心配から出る汗
Nemesism
内に向けられたフラストレーション
Noceur
ずぼらで不道徳な人、夜遅くまで起きている人
Nod-crafty
大学者のようにうなずく傾向にある


O

Obligrate
(おそらく)ごちそうを楽しんで時を過ごす
Occasionet
ちょっとした出来事
*Omnisciturient
全知を望んでいる
Onomatomania
適切な言葉が見つからなくていらいらしている状態
Opsigamy
人生の終盤で結婚すること
Oxyphonia
度を越えた声のかん高さ


P

Palaeolatry
古いものに対する過度の畏怖の念
*Pandiculation
疲れたときや朝起きたときに、「あーっ」と手足を伸ばす行為
Parabore
退屈に対する防御
Paracme
人生の全盛期が過ぎ去った時
Pejorist
世界が悪いほうへ向かっていると考える人
Peristeronic
鳩を連想させる
Pertolerate
最後までしっかり耐え抜く
Pessimum
予想される最低最悪の状況
*Perichor
雨が長く降らず、乾燥していたところに雨が降り、その時に地面からあがってくる心地よい匂い
Philodox
持論にほれ込んでいる人
Postreme
最後の男 (どん尻、びり、つまり「敗者」の固い言い方)
*Postvide
ことが起こったあとにその計画を立てる
*Preantepenult
最後でもなく、最後の一つ前でもなく、最後の一つ前の一つ前でもなく、その次の
*Prend
修繕されたひび割れ
*Propassion
情熱の予兆となる心のざわめき
*Psithurism
風で落ち葉がかさかさと音を立てること


Q

Quag
(柔らかいもの、ふにゃふにゃしたものが)揺れ動く
Quisquilious
生ごみやがらくたに近い
*Quomodocunquize
あらゆる手段を使ってお金を稼ぐ


R

*Rapin
手におえない芸術科の学生
*Remancy
お返しの愛、愛し返すこと
Redeless
緊急時に何をしたらよいのかわからない
Rejoy
所有者としてものを楽しむ
Remord
(名)ちょっとした後悔の念 (動)後悔の念とともに記憶に残る
Repertitious
偶然見つかった、ひょんなことから見つかった
Resentient
気分の変化を引き起こすもの (くちゃくちゃとモノを食べる男性だったり、見ているほうが恥ずかしくなるような笑い方をする女性などを指すことができる)
Residentarian
食卓にある残りが与えられる人 (”食べ始めたときは、テーブルとおなかが14, 5センチ離れている。そのあいだが埋まって、テーブルとお腹がくっついた時に、ごちそうさまをするのさ”, ダイヤモンド・ジム・ブレーディー, 223)
Resipiscence
より良い精神状態、意見に戻ること。食前酒誕生の理由
Roorback
政治目的で流布される特報。バロン・フォン・ルーバックに由来
*Rough music
鍋や釜などをドンチャン叩いたりするなど、大きな音を立てて隣人を困らせること
Ruffing
拍手喝采の代わりに足を踏み鳴らすこと


S

Safety-firster
危険を冒そうとしない人 (安全第一、良心といった意味だったが、臆病者を意味するように)
*Sardonian
殺意を抱き、相手をおだてて喜ばせる人
Scrupulant
良心的に罪を告白しすぎる人
Semese
半分食した (「今晩、残り物(leftover)があるわよ」と「今晩、食べ残し(semese)があるわよ」。後者のほうが、圧倒的に食欲をなくす, 236)
Sesquihoral
一時間半続いている (an hour and half とわざわざ言いたくない気分のときにどうぞ, 237)
Shot-clog
全員に一杯おごってくれるので我慢して付き合う嫌な友人
Sialoquent
話しているときに唾をたくさん飛ばす人
*Sientiary
「黙れ」と命令することを職とする役人
Somnificator
他人の眠りを誘発する人
*Superarrougate
とてつもなく傲慢にふるまう


T

Tacenda
口に出して言う必要のないこと、黙ってやり過ごすこと
Tricoteuse
編み物をする女性、特に、フランス革命の際にギロチン処刑に参列し、たくさんの首が転がっている中でも座って編み物をする女性


U

Ultra-crepidarian
自分の範囲、限界を超えて助言したり批判したりする人、無知な、でしゃばりな批評家
*Umbriphilous
陰が大好きな
*Unasinous
ばかさ加減において相手と等しい
*Unbepisssed
尿がかけられていない、尿で塗れていない
Undisonant
波の音がする
Unlove
愛することをやめる


V

Valentine
(鳥について)交尾期に歌であいさつをする (”鳥が口を大きく開けて異性をひきつけるために謳ったら、それは「自然の驚異」というカテゴリーに入る。人間の男性が同じことをしたら、「接近禁止命令の根拠」というカテゴリーに入る”, 262-263)
Vanitarianism
虚栄、虚飾の追求
Videnda
見る価値のあるもの、見るべきもの
Vitativeness
生きる喜び、生きることへの愛


W

*Wailer
プロの会葬者、お金をもらって涙を流す人
Well-lost
まっとうな理由をもってしても負けた
Well-woulder
条件付きで他人の幸せを祈る人


X

Xanthodontous
ウサギやリス(げっ歯類)などのように歯が黄色い
Xenium
来客に差し上げる品
Xenogenesis
両親に似ていない子ども
Xerostomia
唾液の生成不足による口の渇き


Y

Yepsen
カップのように丸めた両手に入る量、カップ状にした両手そのもの
Yesterneve
昨晩
Yestermorn
昨日の朝
Hesternal
昨日の、昨日と関係のある
→ Nudiustertian
一昨日の、一昨日と関係のある
→ Overmorrow
明後日の、明後日と関係のある


Z

Zabernism
軍隊における権力の誤った使用、いじめや権利の侵害
Zugzwang
(チェスで)駒を動かす必要があるのだけれど、動かすと不利になるような状況


2015年1月14日水曜日

ことわざメモ

22:43 Posted by どぼん 4 comments

01/15 : 橋本テツヤ「ことわざびじん」

◆美人になりたいわけではありませんが、ことわざにはいろいろな言い回しやニュアンスがあって面白いです。読んでいて気になった言葉を集めてみました。各ことわざにいらないコメントをつけてあります。

相手のない喧嘩はできぬ : ”だから喧嘩は買わなければよい”という教えなのですが、「”喧嘩ができる相手がいる”というのは、よいと思えるときもあるんだろうなぁ」などと考えてしまいます。
頭の上の蝿を追え : 相手の頭上の蠅を気にするあまり自分の頭上の蠅に気がつかないなんて、他人思いにもほどがある……という現実的な解釈も成り立つのではないでしょうか。
魚心あれば水心 : 水に心があるという考え方が非常に興味深いなと思いました。
女ならでは夜は明けぬ : 日本は伝統的には母系社会だったといわれますが、こんにち一般的に考えても、女性が居なかったらピリピリする場面が爆発的に増えるでしょうね(それ以外にもありとあらゆる問題も生じますが)。
悲しい時は身一つ : ほんとうにそのとおりで、反対に「身一つだから悲しい」ともいえそうですね。
窮すれば通ず : 力強さを感じます。
後生願いの六性悪 : 言ってることとやってることが違いますが、といいたい。
盛年重ねて来らず : 老年も重ねて来たることはありませんが、盛年のそれが大切だということですね。
他人の飯を食う : ただ社会生活の経験を積むということではなく、つらい経験も重ねているというニュアンスが感じられます。
泣くより歌 : 人びとは歌の力を経験的に知っていたのですね。
猫の子をもらうよう : 猫の生態もけっこう知っていたわけですね。
酒は古酒 女は年増 : 若い女性になんといえばよいのでしょうか。
去り跡へ行くとも死に跡へ行くな : 亡くなった人を美化するということを鋭く指摘していますね。
千里も一里 : 恋の盲目さがとてもよく感じられます。
糟糠の妻 堂より下さず : いまどき、糟糠(そうこう)の妻(”かす”や”ぬか”を食べるような貧しい生活をともにしてきた妻)のようなひと(男でもそういう苦労に耐えうる人間)が、どれだけいるのか……。
添わぬうちが花 : 近すぎて幻滅するか、手に入って幻滅するか、とにかく幻滅するというわけですね。悲観的。
一日作さざれば一日食らわず : 俗語で「うんこ生産機(NEETに対する侮蔑的な表現)」という言葉がありますが、これはそれを徹底的に回避する姿勢ですね。
江戸っ子の 往き大名 帰り乞食 : 「江戸っ子は宵越しの銭をもたない」といいますが、その結果がこれです。
船頭多くして船山へ上る : 仕切りたがり屋、発言したがり屋がごちゃ混ぜで混沌としている、そんなときに使えそうです。
大器小用(大根を正宗で切る) : そんなことをする人間の器も知れるというお話ですね。
壺のなかでは火は燃えぬ : 空気を入れる必要性をうまく表現していると思います。
二人口は過ごせるが一人口は過ごせぬ : 経済的には一人口のほうが安上がりに決まっていますが、実生活上はさまざまな面で二人のほうがよいという逆転がうまく表現されています(料理にしたって、二人いれば自炊しますが、一人だと外食してしまったり)。
坊主の花簪(はなかんざし) : 「猫に小判」や「豚に真珠」よりも、こちらのほうが絵的に、また表現的に、面白いのではないでしょうか。
一番風呂は馬鹿が入る : ぼくは馬鹿です。
死ぬ死ぬと言う者に死んだ例(ため)しがない : 死ぬ死ぬ言う人が死ぬ準備をしているのを見たことがありませんし、やはり死なないようです。
いつも月夜に米の飯 : 月夜に白飯を食べることが幸せだと思える日々を過ごせているのでしょうか。
漬物誉めれば嬶(かかあ)誉める : 漬け物をほめる=かかあをほめる、だったわけですね。したがって”他人の家の漬け物はほめるな”という話らしいです。そんなことで怒るとは、焼きもちやきにも程がある。
卵の殻で海を渡る : 出来ないことの例えですが、卵の殻という選択がおもしろいです。
げすのそしり食い : 要するに「まずい、もう一杯」というやつですね。(あれが”げす”だ、というつもりはまったくないのですが、格好の例です)。

2015年1月13日火曜日

「調べる論」「やし酒飲み」

23:32 Posted by どぼん , , 2 comments

01/13 : 木村俊介「『調べる』論――しつこさで壁を破った20人」

 しかしシベリアから帰ってきた後、どんなことがあったのか。それは伝わっていない。取材を進めると、実はこれがまだ終わっていない今の問題だということが分かってきた (栗原俊雄, pp. 40-41)
◆研究者や漫画家、弁護士やジャーナリスト、「正解のない現実と向き合う」さまざまな人たちは、どのようにして現実と向き合うことになったのか。そしてそこからなにを得たのか。刺激に満ちたインタビュー集です。

◆全体的に、一次情報にあたる大切さが強調されていました。ただそれだけでは当たり前のことなのですが、この本では、彼らが一次情報から引き出したもの、あるいは引き出した方法といった、過程のドラマに焦点が当てられています。足で調べまわることもあれば、じっとデータを見ていて、なにかの拍子にそのデータが意味するものがみえてくることもあるようです。そしてそうした発見によって、関係の無いように見えることが思わぬところで関連していることが分かったりして、通説と異なる現実の姿がみえてくるのですね。

◆この本は、さまざまな分野での調査の方法を説明するような本ではありません。むしろ調べる(答えのない問いを立て、答えを探す)人たちの人間的なドラマに関心がある方が楽しめる本だと思います。





01/13 : エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」

◆乱暴に要約すると、やし酒を飲むことしか能のない町の有力者の息子が、亡くなったやし酒作りの名人を尋ねてはるかかなたの「死者の町」へ行くという冒険の物語です。◆ですがその世界に入ろうとすると、すべてが神秘的で衝撃的なのです。「なんだこれは」という驚きと、理解が追い付かない戸惑いを感じながら読み進めてゆくと、いつの間にか物語は終わっていて、ハッピーエンドなのか、そもそもエンドなのか何なのかもわからない、そんな不思議で面白い一冊でした。